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「世の終わりの贈りもの」への感想その1

2007-10-30

〜〜〜原野の画家、佐々木栄松さんから「世の終わりの贈りもの」へ
・・・・・・稲田陽子

我が家の庭も、裏の公園も、赤や黄に染まった木々が、
昨日の雨に降られたせいか、さらに落葉が進んでいる。
一気に葉を落としたような桜の大木も、ご近所の庭で、
その冬支度をする梢の枝先を風になびかせている。

北の地の秋は、短い。紅葉は、その一瞬の時に厳粛な自然の
摂理のなかで行われるいのちの祝祭なのだ。

その鮮やかな色彩の華やぎのなかに、「湿原の画家」あるいは
「原野の画家」と言われる佐々木栄松さんの一連の湿原の絵が
脳裏に浮かぶ。キャンバスを超えたいのちの空間を創り出すことに
心血を注がれたその作品群に、「孤高の画家」の芸術家としての
生き様が彷彿とされる。

一昔前、山本周五郎という作家は、自ら直木賞を断ったのだと、
昨日カーラジオで誰かが語っていた。それは、山本周五郎は、
批評家のためではなく、ただ読者のために書くのだから、
それでいいのだということらしい。

私は、この話を耳にしたとき、即座に孤高の画家・佐々木栄松さんを
思い出した。西洋画壇の気風を主流とする日本画壇に
「自己確立した絵画」を見出せず、あくまでも自然との感応を主体に
自己の心象芸術を創り続けるその姿に、受賞を断った作家の姿がだぶる。

そういえば、10年以上前に「北の貌」という写真集を、
夫の友人であるカメラマンの佐藤雅英さんが出され、話題となったが、
実は、そのなかに、佐々木栄松さんもリストに入っていた。
佐藤カメラマンは、別の写真集「小樽浪漫」を夫の稲田芳弘に詩文を
依頼して出版しており、それは、その後国立国会図書館にも収められ
たそうだ。その佐藤さんが北海道で活躍してきた「文化人や知識人」
などを撮ろうとしていた。

ところが、そんな名誉ある誘いを栄松さんはあっさり辞退された
のである。もちろん、勲章すらも、お断りされたという。
これは、開高健が尊敬した「原野の釣り人、佐々木栄松」の生き様
そのものなのだろう。

原野という心象のコスモスを旅する釣り人、佐々木栄松さんは
随筆家・作家としても知られ、ご著書の一つである
「白いオピラメ原野の釣り人物語」(オピラメ=いとう)は、
学校推薦図書にもなった名作である。

その佐々木栄松さんから、私の「世の終わりの贈りもの」の
感想をいただいたので、少し気恥ずかしい気もあるが、ご紹介したい。

 
「稲田陽子様

佐々木栄松

ともあれ!!

こんな見事なご著書を拝見し、嬉しいあまりでございます。

とてもよい本で
奥様(陽子様)そのままの雰囲気の出来栄えです。

○品性があって、あなたは自身の姿とおなじ姿をした本で
深い哲学性さえ感じさせます。

私の画(作品)を
お使いいただきまして、嬉しく、光栄さえ感じています。

+

「蛇足的感想」
という、ご主人の文章、
これは、

『”妻愛の恋文”で英才的名文』です。

+

有り難うございます。増々のご健闘を心からお祈りいたします。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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